「お田植え祭 2018」-人と人との繋がりを作る農業の役割-

COMMUNITY | 2018.06.28 | Writer:

 

「お田植え祭」とは?

昨年から「お田植え祭」と銘打って、イベントとして、また社内スタッフの体験としてスタートしました。
ヒューマンフォーラムの農業部門である「mumokuteki ファーム」でのお米つくりは京都府南丹市美山の圃場を中心に行われていますが、ここ京北(京都市右京区)では、手植え、手刈り、天日干しという、昔の田植えをそのまま再現した形でスタッフを中心に体験してもらっています。
美山では年間5トンほどのお米を育てていて、農薬や化学肥料を使わない大変手間のかかる栽培方法をしていますが、大掛かりな為、もちろん機械化はされています。
京北の「お田植え祭」では2反(300坪/1,000㎡、10a)だけ、人力のみのお米つくりですが、これが結構楽しいのです。
2日に分けて行われる予定でしたが、1日は雨で中止となってしまい、昨年よりもかなり少ない人数での開催となりましたが、「spinns」、「GALLERIE」、「mumokuteki」の各部門から仲間が集まってくれました。

 

田植えは楽しい一大行事!

ファームの吉村君が田植えの手順や注意点を説明して、田植えが始まりました。
木でできた、田植え枠を転がすと、泥面に線が引かれ、それに沿って田植えを進めていきます。
色々な田植えファッションが集まっていますが、長靴や日よけなどはそれぞれのこだわりも垣間見えて、興味津々!
素足で田んぼに入る人もかなりいて、実はこれがかなり気持ちいいのです!
化学物質の無い自然の田んぼの中に入ると、都会で溜まった悪いものが泥の中に溶け出しているような気分になります。田んぼでデトックス!
強い日差しの中で前かがみになって稲を植えていく作業は、一見しんどそうですが、やっている本人はかなり夢中になっています。子供達の楽しそうな姿はコミュニティの宝です。
こうやってワイワイと田植えをしていると、たまに通り過ぎる地元の車が立ち止まり、おじいちゃんがニコニコしながら見物しています。すっかり珍しくなった田植えに目を細めている地元の人たちの様子にこちらも心踊ります。
子供も大人も、みんな本当楽しんで田植えが出来ました。思っていたよりもかなり早くに田植えは終了しました。

 

 

京北みんなの家でお昼ご飯

田植えの後は、ファームで育てたお米と、昨年から生産が始まったこだわり味噌を使った味噌汁でお昼ご飯を頂きました。
自慢じゃないですが、美山で育てたmumokuteki ファームのお米は本当美味しいんです。農薬や化学肥料を使わずにファームスタッフが大変手間をかけて育てたお米です。そして、美山は水がとても綺麗な場所です。綺麗な水のおかげでこのお米は本当に美味しいんです。
味噌の販売も来年から予定しているのですが、これも素材には大変こだわっています。栽培期間中、無農薬、無化学肥料栽培の大豆と、海塩、そしてファームのお米を使った麹を使って、天然醸造の味噌を作っています。
流通している味噌のほとんどが加熱醸造という事で、本来の味噌を作りたいという思いから、このプロジェクトはスタートしました。
お昼ご飯は本当シンプルに、白米と味噌汁、そしておかずは味噌です。
このシンプルな組み合わせが本当に美味しい。本当にこだわったものは、実際美味しいものです。こんなシンプルなライフスタイルを取り戻す事で、衣食住はもちろん、自然や地球のことを考える価値観が育っていくことを願いますし、こういった「楽しい!」「美味しい!」みたいな事が、やはり一番大事なんだと思いました。

 

田植えという非日常

昔の日本ではほとんどの家庭が食べ物を自給していて、集落ごとに団結して田植えをはじめとする、生活に関わることを共同で行っていました。
毎年この時期になると村人総出で田植えをする風景はごく当たり前のものでありましたが、明治以降、経済の形態変化と価値観変化によって生活の基盤は変わり、世の中は徹底的な分業制とお金の普及により、地域や家族は解体され、今のような生活形態になったと思います。
今では、田んぼに浸かって手植えで田植えをするなんて光景は非常に珍しいし、未経験の人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか?
「人件費」という考え方が出来て、人の手をコストとして捉えるようになってから様々な価値観が変化してきました。
私たちは「便利」と交換に「経験」を排除する生活を進めて来たように思います。しかし、「便利」の代わりに捨てて来たものには大変貴重な「経験」というものがゴロゴロと転がっているのかもしれません。
田植えにしても、味噌作りにしても、経験してみるとこんなに楽しいものはありません。毎年する事で熟練していく喜びもあります。こんな貴重な時間を捨てる事で手に入れていた「便利」とは一体何だったのでしょう?
「田植え」とか「祭り」は、大変大事な集落ごとの行事でした。今回も、近隣の人たちが嬉しそうに僕たちの田植えを見物していました。これにより培われた繋がりが地域共同体を支える上で大変重要だったことと思います。僕たちも、この繋がりを育み、大きなものにしていきたいですね。

 

 

mumokuteki ファームでの開催イベントにご注目!

ヒューマンフォーラムでは様々な研修を行っていますが、mumokuteki ファームで行われている農業研修はもう10年続いています。全国の店舗から知らないもの同士が集まり、1週間かけて一つのチームを作っていきます。ここで会社が一番大切にしている「人との繋がり」を育んでいるのです。
今までは社内だけで行って来た農業研修も、今では社外の様々な企業や団体の方々が参加してくれるようになって来ました。
もちろん、それぞれの店舗や現場での仲間との繋がりは大事ですが、大地を相手に手作業をすることは日常の仕事とはまた違った経験となるのです。
田植え以外にも年間通して、沢山の農作業があります。秋には「稲刈り」がありますし、収穫の時期には色々な行事を行なっていきます。乞うご期待!
この「素晴らしい仲間の集い」に、是非ともご参加ください!


この記事のライター

廣海 緑朗(ヒロミロクロウ)

廣海 緑朗(ヒロミロクロウ)
HF magazine

廣海緑朗 1965年生まれ。東京・北海道を経て1980年より京都在住。
1981年より音楽・アート・映像などのイベントを京大西部講堂などで企画制作する。 1987年に観た映画「ホピの預言」(監督:宮田雪/制作:Land and Life)の影響で7回渡米し、北米先住民の居留地を旅し、 居留地での核実験やウラン採掘、強制移住の反対運動に参加。
1993年から映画「ホピの予言」を制作した『Land and Life』に参加。 上映や講演で、先住民の現状や世界感を知ってもらうために力を注ぐ。 2002年以降は音楽と環境問題に視点を置いたイベントの制作を行う。 2012年、福島原発事故で放射能汚染の実態を知り、安全な食べ物を提供したいと自ら測定した食材を使ったレストラン「NONベクレル食堂」を左京区岩倉に開店。 2014年、店を三条猪熊に移し「ノンベクキッチンホテヴィラ」として開店 。 2015年、京都市議会議員選挙に市民派として立候補。2282 票で落選。 2016年、「ノンベクキッチンホテヴィラ」を閉店。食品の放射能測定は4年間で900検体に及ぶ。「NPO法人みんなの地球のくらしかた」を立ち上げ、社会事業を世に広める活動を開始。 2017年、(株)ヒューマンフォーラムの「mumkuteki」の中でイベント企画制作、カフェのオーガニック食材の仕入、goodsへの商品紹介、ファームのイベントなど、ヒューマンフォーラムのコミュニティー化に向けてその一端を担う。信頼資本財団「A-KIND塾」3期生。2児の父。

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