植物の生存戦略とレタスに恋した人々

COMMUNITY | 2018.08.02 | Writer:

mumokuteki cafeを知ってますか?

ヒューマンフォーラムの「mumokuteki」では、「mumokuteki cafe」を運営しております。
アパレルの会社ですが、ベジタリアン カフェをやっているのです。
ここでは、なるべくオーガニックのものを揃えられるように日々努力しているのですが、何よりもそれを育てて出荷してくれている農家さんの存在が大変重要です。
HF magazineでは、こういったお取り引き先様のストーリーも追っかけて、皆様に知って頂きたいと思い、取材スケジュールを考えていました。

大地に根ざした人々

20代の頃、頻繁に渡米して、北米先住民の居留地をまわる旅をしていた。バイクで20000km、車で40000kmくらいは走ってるんじゃないかなぁ?
この北米インディアンと呼ばれる人たちの中で特に伝統的な暮らしを続けてる人たちの事を、「大地に根ざした人々」と呼んでいました。
彼らは大地と繋がり、地球と会話しながら伝統を守る生活を今でも続けているのです。
2012年くらいから仕事で無農薬の農家さんとのお付き合いが一気に増えて、沢山の農家さんと仲良くさせてもらってますが、いつも訪ねて行く時のワクワク感は、この「大地に根ざした人々」を訪ねて行く時と同じ気分なんです。
それは有機農、自然農などをやっている人はかなりの割合で良い人なんです。そして面白い。
安心安全な生産物なんてところは当たり前で、地球のこと、未来のことを体現してやってる人が多いんですよ。
だから、いつも農家さんまわりはワクワクドキドキしながら行きます。本当、いい仕事させてもらってます!
僕らが街で「SDGs」だ、「worldshift」だ!と言っている時に、「大地に根ざした人々」は日々の大地とのやり取りの中で本当に大事なことを経験しているのだと思います。

 

その名も「ハンサムガーデン」

今回はmumokuteki cafeに一年通してグリーンレタスやサニーレタスを卸して頂いている「ハンサムガーデン」に視察に行って来ました。
cafeのキッチンスタッフの「ブロッコリー」こと秋山と一緒に、奈良の宇陀市まで!
迎えてくれたのは代表の窪さんと、スタッフの松田さん池田さん。

いつもニコニコの代表の窪さんを中心にお話を聞きましたが、とにかく面白くて話に引き込まれていきました。
「ハンサムガーデン」は最初2009年になんと京都の百井で立ち上げられたそうです。
その後、縁あって移って来たこの宇陀の土壌は砂地で、大変レタスの栽培に適したところだったのだそうです。
年間通して関西でレタスを出荷する。しかも無農薬で有機肥料を使って。
僕の感覚では普通無理な話だと思ってしまいます。しかし、実際のところ、この灼熱の7月、8月にも「ハンサムガーデン」からは毎週mumokuteki cafeに30kgものレタスが届いているし、冬にも同じように送って来てくれるのです。
「ハンサムガーデン」って名称がとってもインパクトありますが、何もハンサムなスタッフが揃っているわけでは無いのだそうです。
ある時、ウーファー(農業を手伝うことで、宿泊や食事を頂く世界的な仕組み)で来ていたイタリア人の若者が、仕事が終わった後も圃場でビール片手にまどろんでいて、景色に見とれながら
「ここはなんて、ハンサムなんだ!」
と言ったんだそうです。いい話だなぁ!

年間、60品種以上のレタスを栽培する

何故、レタスだったんですか?
「営業が楽かな?というのが正直最初はありました(笑)。飲食店でレタスを使わないところというのはなかなか無いですよね!?」

なるほど!
「そして、品種が大変多く、気候、季節などによってそこにあったものを選ぶ事で年間通した出荷が可能なのではないか?と思ったわけです。」
「そして、これはある程度若い方や新規で農業を始められる方にもノウハウを提供しやすいのではないか?と思ったのです。」

 

窪さんは常に新しく有機農業を始める若い人たちの立場に立って、自分たちのノウハウを蓄積し指導されて来たのです。
年間、60品種以上のレタスを天候予想に合わせて栽培計画を立てられているんだそうです。60品種以上ですよ!
最近の猛暑の中では、どのくらいの水分が1日で蒸散して、圃場の地面から20cmまでの土壌が含む水分量まで考えながら栽培をしているって、凄いなぁ!

科学者タイプと天然ちゃんのミックスタイプ

だいたい、僕が今まで出会った農家さんを二つに分類すると、科学者系か天然ちゃん系に分かれます。
とことん、科学的データと経験を基に徹底して黄金律に近づくタイプ。
そして、何か自然と一体となり、強い想いや感性、異常なまでの愛などで植物と仲良くなるタイプ。
窪さんの話を聞いていると、最初は完全に科学者タイプと思っていたのですが、色々な話が出てくる中で、この方は珍しいどちらの要素も兼ね備えた方だと言うことが分かって来ました!
「こんなにレタスに魅了されてしまいましたが、これは植物の生存戦略なんですよね!」
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「いや、植物が人の興味を引くことで生き残って行く術なんですよね!」
はあ?
僕のような奴にはレタスはレタスでしかなく、魅了はされないが、確かに窪さんのような人が60品種以上もレタスを栽培しているから、生き延びている訳です。

 

キャベツの生存戦略

そんな窪さんが、キャベツを例に挙げて、キャベツに毛虫が発生した時に、どのように防御していくのかを、もう本当嬉しそうに話してくれました。
「キャベツは話すんですよ!」
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続きは動画をご覧ください!

 

このように、窪さんの話にどんどん引き込まれて、僕とブロッコリーは、異次元ワールドへ突入して行くのでした!

皆さんが育てたものと地元のものだけで作ってくれたお昼ご飯がまた最高に美味しい!僕はご飯3杯おかわりしました!ありがとうございます。

最後に圃場を見せて頂く中で、実際にレタスを見ながら窪さんは満面の笑みで言いました。
「ほら、こいつ可愛いでしょう!」
本当、なんて愛しい人なんだ!

 

mumokuteki cafeのレタスを是非味わってみて下さい

 

mumokuteki cafe に来た時は、是非、レタスを味わって下さい。
何気に盛られているレタスですが、安心安全はもちろん、しっかりとした味があり、僕たちは最高のレタスと思って、使わせて頂いております。
このように、食材のひとつひとつに、それを育んで来た人の想いやストーリーが含まれています。
これを知らずに食べるのか、知って食べるのか?いえいえ、是非知って頂きたいので、これからも生産者さんの紹介を続けて行きます!
本当、面白い人ばかりですから、楽しみにしていて下さい!


この記事のライター

廣海 緑朗(ヒロミロクロウ)

廣海 緑朗(ヒロミロクロウ)
HF magazine

廣海緑朗 1965年生まれ。東京・北海道を経て1980年より京都在住。
1981年より音楽・アート・映像などのイベントを京大西部講堂などで企画制作する。 1987年に観た映画「ホピの預言」(監督:宮田雪/制作:Land and Life)の影響で7回渡米し、北米先住民の居留地を旅し、 居留地での核実験やウラン採掘、強制移住の反対運動に参加。
1993年から映画「ホピの予言」を制作した『Land and Life』に参加。 上映や講演で、先住民の現状や世界感を知ってもらうために力を注ぐ。 2002年以降は音楽と環境問題に視点を置いたイベントの制作を行う。 2012年、福島原発事故で放射能汚染の実態を知り、安全な食べ物を提供したいと自ら測定した食材を使ったレストラン「NONベクレル食堂」を左京区岩倉に開店。 2014年、店を三条猪熊に移し「ノンベクキッチンホテヴィラ」として開店 。 2015年、京都市議会議員選挙に市民派として立候補。2282 票で落選。 2016年、「ノンベクキッチンホテヴィラ」を閉店。食品の放射能測定は4年間で900検体に及ぶ。「NPO法人みんなの地球のくらしかた」を立ち上げ、社会事業を世に広める活動を開始。 2017年、(株)ヒューマンフォーラムの「mumkuteki」の中でイベント企画制作、カフェのオーガニック食材の仕入、goodsへの商品紹介、ファームのイベントなど、ヒューマンフォーラムのコミュニティー化に向けてその一端を担う。信頼資本財団「A-KIND塾」3期生。2児の父。

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