HF BOOT CAMP vol.2 -このチームにいったい何がおこったのか-

EDUCATION | 2018.06.04 | Writer:

「HF BOOT CAMP」は㈱ヒューマンフォーラムの人財育成部によって設計され開催される。通常の研修はある特定の知識の習得が主流なのに対して「HF BOOT CAMP」は「体感」が特徴だという。
「HF BOOT CAMP」とはいったい何なのかを人財育成部部長である大槻彦吾に聞いてみようと思う。

「技と心」このバランスを大切に

 

ー「HF BOOT CAMP」を運営するにあたり大切にしていることとは。
大槻:クリエイティブなチームを実現するためには “スキル” だけでなく”感性”が求められると考えています。なので「技と心」このバランスを大切にしています。

 

「これやりたいね」

 

大槻:最初のはじまりは社外の研修に経営幹部達で参加したことがきっかけでした。そのプログラムの中に「フレッシャーズキャンプ」という新卒社員向けの研修があって、それを岩崎さん(代表取締役社長)と視察した時に「これヤバいですね」「うん、これやりたいね」となって研修から戻るとすぐ始めました。

根拠のない確信「未来の姿がここにある」

 

ー「やりたいね」「やろう」で、すぐはじめることができるって凄いですね。
大槻:基本的にアホなので考えないで始める癖があるんですよね(笑)。それは冗談ですが、ヒューマンフォーラムの行動指針として即動というのがあるので始めるスピードは速いですね。やりながら考えるというのを会社的に肯定して捉えてもらえるのでスタートを切ることができたんだと思います。でも何故か根拠のない確信があったんですね「未来の姿がここにある」って。

 

事故の臭いしかしない

 

ー最初からうまくいきましたか。
大槻:全く(上手くいかなかった)(笑)。まずは新入社員がいないから「フレッシャーズ」じゃないなと。幹部候補社員(とはいえ役員も入っていましたが)を中心にぶっつけ本番でやってみました。名称も新入社員ではないので「ブートキャンプ」としました。今振り返ったら「よく始めたな」って思いますね。やったことない研修を月に2日間、6か月間もやるんですよ?事故の臭いしかしないですね(笑)。

 

大槻:最初の内容は個人の起業家スキルを高めるというものでした。カリキュラムもつぎはぎで。ヒューマンフォーラムのエリアドミナントビジョンという将来的なビジョンともリンクすると考えたので新規事業開発スキルに特化していました。

 

「スタッフ全員がリーダーや起業したいわけじゃない」

 

大槻:最初僕は試行錯誤の連続であたまがいっぱいいっぱいでした。そんなある日、経営会議で「ブートキャンプって会社に必要ですか?」って言われたんですよ。「受講しているスタッフ全員がリーダーや起業したいわけじゃない」って。挙句の果てには「参加することで苦しんでいるスタッフもいる」ということもフィードバックもらいました。

率直なフィードバックのおかげ

 

ー結構直球なフィードバックですね。
大槻:それを聞いたときはかなりシビれましたね。「会社の意思決定としてやってるんじゃなかったのか?」「苦しんでいるのは参加者の個人的な課題なのでは?」とか頭がグルングルンしていましたし、何よりも良かれと思って開催していた研修が誰かの苦しみになっているという事がとにかく悲しくて辛かったです。

大槻:でも、その率直なフィードバックのおかげで覚悟を決めました。この「HF BOOT CAMP」のカリキュラムを何処かから借りてきたものを着ているような感じから、ヒューマンフォーラムに合うカリキュラムに仕立て直そうと考えました。その経営会議では「スタートしたんだからこの研修は続けていい」という許可を得ました。続けさせてくれるのはあり難かったです。さらなる仮説検証をさせてもらえるわけですから。

ある日見えなかったものが、はっきり見えた

 

ー全てを考え直すことを促されて、それからどうされましたか。
大槻:そこから全てを壊して考え直しました。でもいくら本を読んでも社外セミナーに参加しても見えてこない。何も見えてこないんです。これは苦しかったです。そんなある日、急に今まで見えなかったものに気が付いたんです。答えは目の前の現場に合ったんです。それは「苦しんでいる」と言われていた参加スタッフがみるみる活き活きしていった姿でした。その理由は簡単でした「安心できるチーム」がそこに出来ていたからなんです。

「何を言っても大丈夫」という安心感

 

ー「安心できるチーム」とは。
大槻:「何を言っても大丈夫」という安心と信頼感のあるチームですね。人はそれぞれリーダータイプもいればコツコツタイプもいる。アイデアマンもいればムードメーカーもいる。そんな自分の特性を活かせるチームです。しかもチームメンバーから自分が気が付いていない良い所を常にフィードバック貰える環境設計が大きな肝になります。

 

結果的にあらわれるのが「安心できるチーム」

 

ー良い所を伝えあえる関係性がポイントなんですね。
大槻:そのとおりです。でも良い所を伝えるだけじゃなくてお互いの課題も言いあえるチームです。「HF BOOT CAMP」のカリキュラムでは早めに「個性」を探求するためのコーチングスキルを習得します。同時に分析ツールで自分自身を客観的に見る訓練をすこしずつ行います。その過程で自己開示が進みます。そこにフィードバックメソッドがチーム内で浸透していくことで結果的にあらわれるのが「安心できるチーム」です。

「安心できるチーム」が自分自身を深堀することを後押しする

 

ー「自己重要感」が安心を増幅させるということですか。
大槻:そうです。安心できるチームの存在が、自分自身を深堀することを後押しします。同時進行でチームビルディングに必要なグランドルールやブレインストーミング、ディスカッション等のスキルを実践的に身につけます。中盤までにメンバーひとりひとりの取り組みたい新規事業(社会課題の解決)を特定していき後半はフィールドワークなどで事業計画書を完成させていきます。

 

ー「安心した環境で、いざこざを起こす」

 

ー事業計画書を作成する過程での特徴とは。
大槻:特徴的なのは「安心した環境で、いざこざを起こす」ですね。「チーム」内の空気が緊迫したり、停滞したりすることはネガティブに捉えがちです。でも、わたしたちは良い傾向だと捉えています。それは各個人の個性が刺激し合っている「音」なだけなので。最初は不協和音だった「音」が段々と「チーム」としてのリズムを取りはじめるとアイデアの創発につながります。この創発につながるか停滞するかの差は「自己開示」が出来るかにかかってきます。

ー「うわぁ危ないな、この空気」

 

ー自己開示が創発と停滞の分岐点となるとは。
大槻:とても面白いですよ。各チームで新規事業案のディスカッションをしていて、サービスやプロダクトのような議題だとワクワクして立ちあがりながら盛り上がって話しているのに、現実的に「採算合うの?収益出るの?」ということを話し出すと空気が「チーン」となったりして。別の人は黙って背中向けてムスッと座ってたりするんですよ(笑)。横で僕は「うわぁ危ないな、この空気」とか思ったりして(笑)。そしてその後のフィードバックでその瞬間の自分の心の中に起きていたことをお互いに自白して理解や関係が深まったり、そこから新しい価値が生まれたりする。この体験こそが「HF BOOT CAMP」なんです。これは全く予測できません。

 

ーチームが強化されていくスパイラルを体感する。

 

ーだんだんと「いわゆる研修ではない」と言われていた意味がつかめてきた気がします。
大槻:ひとりひとりが気が付いていないじぶんの「個性」に出会いはじめる。それを「チームメンバー」と共有することでお互いを認め合いだす。そんなひとりひとりが新規事業開発という目標に向かうことでお互いの「個性」が更に刺激や摩擦をおこしはじめる。そんな刺激や摩擦のおかげで「個性」の解像度が上がっていき、結果的に「チーム」が強化されていく。そんなスパイラルを体感する「場」です。

 

ー第三期を進行されていますが前期と大きな変化とは。
大槻:大きな変化は社外の参加者さんの存在です。最初は社内の独自資源としてこのプログラムをクローズなものにしておくべきでは?と考えたのですが、ヒューマンフォーラムの理念である「素晴らしき仲間の集い」をより世界に拡大、加速させるにはオープンソースにしてしまった方がいいなと感じました。まだ試験的ですが社外向け運用を始めちゃったって感じです。やってみて考えるパターンです(笑)。

 

大槻:毎回6か月が終了する時に振り返ると「このチームにいったい何が起こったか?」なんです。僕にも何が起こったのか正確には把握できないんです。明確にわかることはひとりひとりが活かし活かされる「安心できるチーム」が目の前に現れたということだけ。これが「HF BOOT CAMP」の真価だと考えています。そしてこれは体験なのでいろんな形で参加者に持続可能な変化が起こっているはずです。そういう意味では是非、参加したみんなのお話を聞いて頂きたいですね。いや、実は僕が一番聞きたいです(笑)。

 

 

 

「HF BOOT CAMP」は「体感」が特徴だという。

次回はその「体感」を実際に受けた参加者へのインタビューから「HF BOOT CAMP」にせまってみたいと思う。


この記事のライター

GENGO OTSUKI

GENGO OTSUKI
人財育成部

1973年千葉県生まれ / 神奈川県横浜市在住 / UPOB / 韓国語 / 人財育成部長 迷言「究極の文系は理系。右にずっと行けばいつか左から出てくる。そういうこと。」がある。

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