HF BOOT CAMP vol.3 -ブートキャンパーたちの声-

EDUCATION | 2018.08.11 | Writer:

HF BOOT CAMPとはヒューマンフォーラムで開催されている6か月間の長期研修。ブートキャンプでは新規事業の立案を通じて結果的に「わたしと出会う場所」といわれる。その第二期ブートキャンプOBであるSPINNS事業部バイヤーを務める木下さんへインタビューを通じ「わたしと出会う場所」という意味にせまってみようと思う。

ーまず木下さんの経歴からお聞かせください。

木下:よろしくお願いします。僕は最初、今はもう無いのですが福岡のSPINNS大名店にアルバイトとして入りました。そしてSUPER SPINNS福岡店がオープンするということになり移動になったのですが、たまたまmonomaniaという別ブランドも立ち上がるという事で福岡の店長をさせてもらいました。そこで半年店長経験をしたんですがギブアップしちゃいました(笑)。

 

ーなぜギブアップされたんですか?

木下:最初は凄く楽しかったんです。洋服好きな人の中に入り自分達で洋服を考えて作ったり、お客さんに直に接客したり。そんな中で店長として求められる事も多く異動して半年の僕には荷が重くなってしまいました。その後SPINNSへと異動となり熊本店とSUPER SPINNS福岡店の店長を経て九州・中国エリアのSV(スーパーバイザー)をさせて頂き、昨年からバイヤーをさせて頂いています。

ーバイヤーにチャレンジした昨年、同時に第二期ブートキャンプを受けられたのはどうしてでしょうか?

木下:SV時代に1回きりのお試し版を受けた事があって何となくブートに対するイメージがあったんです。ひとつは仕事をする上でベースになるスキル、、対応やアウトプットの仕方、論理的な思考だったりとかを学ぶ場所って事。もうひとつは自分ってものをさらけ出す場所というか・・・表現する場所というか・・それを社内の皆で分かち合うというようなイメージでした。受けようと思ったきっかけは、漠然と学びたいということもありました。

 

ー実際に受けてみてのブートキャンプのイメージは違いましたか?

木下:バイヤーやっていてあまり社内との繋がりが無くなっていく感じがしていたんです。SVの時は色んな現場に入ってスタッフともしゃべってたし、会社って事を考える機会も自分の中で多かったんです。しかしバイヤーになると専門的な業務ばかりで、あまり社内の人と関わっていく時間もなかったので(全社から人が集まるブートキャンプは)いい機会だと思って受けました。実際に参加した感じは表面的な違いは無いんですが、感じる部分はお試し版を受けた時と遥かに違いましたね。自分の中で起きた心の変化も。

ー現場に帰ってチームが変化したエピソードはありますか?

木下:自分を表現するということですね。良いことも悪いことも。あんまこういう事って言わない方がいいんじゃないかなぁって事だったりとか、自分の中にある劣等感みたいなこととか。そういうのを普通に口にだすようになりました。チーム内で何でも言っても大丈夫っていう安心感が出来ましたね。

ー参加後に大きく変化した考え方はありますか?

木下:一番変化したのは、前までは人の悪い所に対して”課題だ”と見ていた自分がすごくいて、その課題を本人がどう乗り越えるかっていうことを考えていた自分がいました。今では逆にそういうところにその人の本当の生きるエネルギーというか、可能性を凄く感じていますね。あとはそれをどう表現するのかが僕は大事だなと捉えるようになりました。受講している時にゲストスピーカーで来られた高岸さんによる「わたしにとっての幸せとは?」(編集注:ブートキャンプでは毎日ひとりのゲストスピーカーを招いて「私にとっての幸せとは?」がテーマの20分スピーチがある)というスピーチの時に「自分のコンプレックスや闇の部分をファッションという光に変えて表現して、そこに色んな人の共感を生んでいった」ということを聴いてすごく共感しました。やっぱり表面的に見える良い部分とか輝いている部分だけがその人の魅力じゃないなって凄く自分の中で感じました。

 

ー逆に難しいなと感じる課題のようなものはありますか?

木下:バイヤーレベル、店長レベルで言うとある程度(経験上の)ベースがあるじゃないですか。守破離の守という事を凄く経験してきた人の中で刺さる感じと入りたてのスタッフの(経験としての)守破離の守があまり育ってない中でブートで感じた事をそのまま「今、この人に伝えるべきなのかな」ということ。結局はタイミングですかね。

凄く頑張って頑張ってガムシャラに色々自分と向き合ってきた人だからこそ分かち合えるような。この安心感ってあるじゃないですか。安心して自分をさらけ出す事の前に歯を食いしばって気張ってやる事が大事だったりとか。それがあるから、より感じる部分もあるんじゃないかなと思います。でもその反面それを言ってたらあまり変わって行かないな。とか、根本的には変わらないな。なんか押さえつけて押さえつけて今が有るって言う感じも自分の中にあります。もっと早い段階で自分達をさらけ出せたら、もっと変わってたんじゃないかと感じたので。どっちが良いもないんですけどね。タイミングですかね。

課題というと、業務的に出来ていないというのじゃなくて、その人の人間的な課題が実はチームの中で魅力だったりもするじゃないですか?ブート受けてからはその人の凄い所は”何かを喋って伝えた”って事じゃなく、一生懸命だったりその姿に仲間がついて行きたくなるリーダーだったりとか。さりげない優しさだったりとか。目に見えずらい部分の魅力とかあるじゃないですか?そういう人も凄く大事にした方がいいなぁと。

ーブートキャンプではチームで取り組むことがほとんどですが良かったこと、やり辛かったことは?

木下:チームでやる時に自分はどうあるべきかを考えることが多いんです。例えば「これは言わない方がいいんじゃないか?」とか。でも心の中では「こうしたほうがいいやん」と思っている事とかあるんです。SVの時はそんな感じでやってたんで。「もっとこしたらええやん!」とか、思ったことは部下に対して言うみたいな。それをすることに最近は迷いを感じる時が多かったんですが(フィードバックの時に)「あの感じがキノさんぽいですよね」とか「こうやったほうがええやんみたいなことを考えて言ってるキノさん楽しそうですよね」って言ってもらえた時にチームでやるからこそ「自分の課題だと思ってたことが良さでもあったんだなぁ」と気付きました。

あとチームに凄く元気に挙手してくれる部下がいて、「こういう仲間が居てくれてすごく助かったなぁ」と思ったんです。こうやって元気づけてくれたりとか、解らなくても手を挙げて向かっていく姿勢ってすごくチームに勇気を与えるなって。ありがたいなって思いましたね。

そうやって取り組んでいくと、初めは勢いだけで手を挙げて良いこと言おうとしたりしてたんですけど、「そういう所良いですね」って褒めながらも「もっとこうしたらどうですか?」ってことも同時に伝えてたし、僕も言われたりしたんです。

(その過程を通じてチーム全員がお互いに)良い所をちゃんと見てもらいながらも、他の人から見える自分の課題を素直に言ってもらえたことで受け入れやすかったというか「自分もこのチームに居ていいんだなぁ」って事も痛感できました。それに、そんなに思ってくれる人の為だったら自分の事ももっと考えなきゃアカンなって感じましたね。

 

ーどのような人にブートキャンプを受けてほしいなと思いますか?

木下:ひとつは自信が無い人。人と関わっていく事に自信が無い人だったりとか自分を表現する事に自信が無い人です。

あとは逆に経営メンバーは全員絶対に受けた方がいいなぁと思いました。現場でリーダーをやってる人とか。あと単純に一緒に働いている「仲間の色んなストーリー」だったり「大事にしている想い」だったり「弱い部分」だったり「コンプレックス」とか「凄い人の言いたくない事を知ったり」とか、そこに触れる事で僕は仲間の事が好きになるなというか、興味関心が湧いて好きになっていく事を感じたので仲間が好きだという人が増えれば増える程働くのも楽しくなるし、そうやって「もっと会社を良くしたいな」という気持ちはが芽生えて来るんじゃないかなと思いました。

 

ーでは最後にメッセージをお願いします。

木下:僕も受けたチームメンバーも全員、自己表現というか自己紹介すら嫌だった人が多かったんです。でもブートキャンプを受けていけばいくほど皆の口数も増えていきました。1分間スピーチも(ブートキャンプではスピーチもチームで競う)皆、もはや無視して(笑)。しゃべりたいだけしゃべってって事があって。それは僕も含めてなんですけど。なんでしゃべれなかったかと言うと皆の事知らないし、自分もどう表現していいか分んなかったりとか。そもそも「どんな事言ったらいいのかな」とか「どう見られんのかな」みたいなことばっかり気にしてしゃべれなかったんですけど、ブート受けたら自然と自分というものを色んな仲間が見てくれてたんですね。

それは良い部分も課題もちゃんと見てくれてて、しっかり伝えてくれるっていうプロセスの中で「もっと自分を表現したいな」ていう気持ちが芽生えてきたんです。自分を表現できる場所だったりとか環境があることっていいなと。しかも自分を表現するっていうのが一生懸命な自分と言えばいいんですかね。そんな自分がちゃんと考えて考えて悩んで出た答えを表現する場所や仲間がいるって凄い幸せだなぁって思ったんですよ。

そう思うと是非そんな不思議な時間を僕の中では不思議というか味わったことの無い時間を体感してもらえたら嬉しいなと思います。きっと仲間の事も好きになるし、自分の事も好きになるんじゃないかな。僕が思う自分の幸せは自分を好きになる事なんで。ブートに出て幸せだなと感じることができました。ありがとうございます。

ここでインタビューは終了しましたが、どうしても話したいことがあるという木下さん。

木下:今まで思っていた自分っているじゃないですか?自分はこういう人間だっていう。例えば過去の経験からこういう時はこういう考えをするなっていう自分がいるじゃないですか?意外とそれを自分と思ってたんですけど、それだけじゃないというか。それに気づけることが凄く多かったです。自分でも知らない自分に気付かせてもらえたりとか、それこそ自分が嫌だと思っていたことが実は周りにいい影響を与えていたりとか。

あと「自分こんな事考えるんだ」「こんな感情沸き起こるんだ」とか。それこそ色んな人の話に涙する事もあれば「こんなに泣くんだ自分」みたいなこともあれば。なんか自分にビックリするみたいな。そんな事が多々あったなって気がしてます。それもひとつのブートキャンプの大きな魅力だなって思いました。

 

ーそれはチームから引き出されることが多かったですか?

絶対そうですね。自分で一人で考えて自分と向き合っていくだけじゃ出てこないです。無意識に封印していると思うので。大人になると悲しいとか寂しいとか、そういう感情って封印するじゃないですか?封印というより表現しないほうがいいものって扱うというか。悔しいって気持ちはなんか美化されるじゃないですか?悔しいから頑張りますみたいな。

本当は悔しいから頑張るというか、悲しいから頑張るみたいなことって凄くあったなって。寂しいから頑張るって凄くあったなって。そんなことを考えたりしました。ネガティブな表現を大事に扱った方がいいですね。寂しや悲しさとか。悔しさはどっちかというと表面的なモノだなって自分の中ではすごく感じたので。自分を良く表現する為の都合のいい言葉だなぁって。いまはそう感じています。

インタビューが終わって公開前の最終確認をしている時にふらっとやってきて「僕のインタビュー大丈夫だったですか?」と聞いてきた木下さん。「想いを拾うように、感覚で話してしまったので文章にするとちょっとヘビーじゃないですかね」と心配されていました。この”感じ”こそが肌感覚のブートキャンプを現していると感じ、できる限りインタビューの文字起こしのまま掲載させて頂きました。


この記事のライター

GENGO OTSUKI

GENGO OTSUKI
人財育成部

1973年千葉県生まれ / 神奈川県横浜市在住 / UPOB / 韓国語 / 人財育成部長 迷言「究極の文系は理系。右にずっと行けばいつか左から出てくる。そういうこと。」がある。

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