世界4大過酷マラソンのひとつ、アタカマ砂漠マラソンに挑む男!

SOCIAL | 2018.09.17 | Writer:

 

イラク人質事件を覚えていますか?

 

今年の1月、クラウドファウンディングサイト「CAMPFIRE」で話題になった支援に、ヒューマンフォーラムから出資協力をさせて頂いた。この人は世の中が必要としている!
覚えている人もいると思う。2004年にイラクで人質になった日本人高校生を。
当時、今井紀明さんは、イラクの子供の医療支援NGOを設立し、活動のため紛争地イラクに渡航し、現地武装勢力の人質となる。
当時、アメリカが使用していた「劣化ウラン弾」の危険性を訴えるための現地入りであった。
解放後、帰国してから日本社会から大きなバッシングを受け、対人恐怖症、パニック障害で数年間のひきこもりとなった。
イラクの人々に健康被害を起こす「劣化ウラン弾」の危険性を訴え、イラクの子供達を守りたい一心で渡航した高校生は、日本中から非難を受け、「自己責任」と切り捨てられて部屋から出れなくなっていった。
外を歩けば、背後から突然殴られることもあり、家族まで中傷されて、兄弟は仕事も続けられなくなったそうだ。
友人達や沢山の人励まされ、自分を非難した人とも手紙のやり取りをしたり実際会って話をして、やがて何とか立ち直っていった。

 

 

現在の高校生の問題に直面し、「D×P」設立

 

そんな時に、定時制、通信制の高校生の問題を知る。
通信制の場合、2人に1人は進学も就職もしない。不登校、引きこもり、家庭の事情で経済的に厳しく食事も出来ない子もいる。
親や大人や社会から否定されて傷つく子供達と、自分の経験が重なった。
1人1人をフォーカスして関係性を作れば、何かを成し遂げる。社会が彼らの才能を見つけていないだけで、大人が支援を続ければ、必ず社会で活躍できる。
任意団体Dream Possibilityを設立して活動を始め、大学卒業後に専門商社勤務を経て、2012年に「NPO法人D×P」を設立。
通信制の高校生向けのキャリア教育事業を関西で展開!「ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会」を目指して、全国で累計3000人以上の子供達をサポートしている。

 

 

学生時代は運動とは全く無縁の生活を送っていた

今井さんは、2011年くらいから走り出した。学生時代は一切スポーツに触れたこともなく、運動は大の苦手。部活は吹奏楽部で運動とは無縁の生活だった。
年々、成績は伸びていき、昨年は遂に「サハラ砂漠マラソン」チャレンジ!クラウドファウンディングで、目標額を達成するとともに、その中で少しでも現在の日本の通信制高校生の現状を知ってもらおうと努めた。
そして、7日間、250kmを走りきる。

 

信用できる大人もいるかもしれない

 

「大人の言うてることなんて信用できひんわ」
そんなふうに語る高校生が、
ちょっとでも「大人になっても挑戦できるんだ」
「信用できる大人もいるかもしれない」と思ってもらえたらいい。
そんな想いで、はじめたマラソンチャレンジ。
今年は更に過酷なアタカマ砂漠マラソンにチャレンジ!3000m級の山々を7日間で250km走るコース。低酸素や高低差、岩場もある険しいコースに挑む。
迫る、9月30日〜10月7日に本番が近づく。

 

「孤独」は現代が抱える社会課題

 

イギリスでは「孤独担当相」が新設されるなど、世界的に「孤独」は大きな社会課題となっている。
特に若い世代には沢山の可能性が秘められていて、若者の孤立は個人の問題では無く、社会的な損失とも言えるのではないか?
実はヒューマンフォーラムでも「孤独」について社内で話し合われて来た経緯がある。
「孤独からの解放」は今の社会において、とても重要な課題であり、私たちにも身近な問題ではないだろうか?
だから、ヒューマンフォーラムでは、年齢を重ねた社員が田舎で働ける農場を作ったし、若いスタッフ達が仲間と繋がる農業研修も続けて来たわけだ。

 

今井さんとヒューマンフォーラムの出会い

 

実は、今井さんが最初にヒューマンフォーラムに訪ねて来たのは、農場見学だった。
高校生が農場で汗を流す機会があったら、色々な試みが出来るかもしれない。
ヒューマンフォーラムのメイン事業であるspinnsは、まさに高校生や若い世代がオシャレに目覚める登竜門だ。
若い世代がファッションに目覚めて、自分を確立するお手伝いが出来たら、素晴らしいよね。
今井さんと、spinnsは、どこか近くて手が届くところで繋がれると感じた出会いだった。

 

更にチャレンジする姿勢

 

それから数ヶ月後、今井さんの「アタカマ砂漠マラソン」へのチャレンジクラウドファウンディングが、立ち上がったのであった。
既に過酷なサハラ砂漠マラソンを終えたのに、更に過酷な道に挑戦する。
彼のD×Pでの仕事だって、先駆者のいない、それこそ人対人の、いつでもチャレンジみたいな仕事なのに、まだまだ挑戦する姿勢だ。
サハラを完走出来たのも、「一緒に誰かが走っているような気がしたからだ。」
様々な人の顔が思い出された。「僕はみんなと挑戦することができた。」
だから、今年も新たな挑戦をしたいと思ったのだそうだ。

 

11月3日にspinnsアメ村2F Vintage&cafeで報告会を開催

 

こんな今井さんに、ヒューマンフォーラムはしびれた。少しでもクラウドファウンディングでこの想いに共感したかった。
そして、そのお礼が、アタカマ砂漠マラソンの報告会をspinnsでやってくれるということだった。
是非とも、spinnsに来てくれる若い方々にも聞いてもらいたい。
大人や社会から否定されたと感じたことがあったら、こんな大人もいることを知って欲しい。
そして、こんな大人に共感する人は沢山いて、自分たちも実は子供の時に同じような経験をしているんだ。
人と人が繋がることがどんなに素晴らしいのか、それよりも大事なことなんて、そんなにあるだろうか?
そんな子供の気持ちを忘れずに走り続ける大人の代表の今井さんのチャレンジが成功しますように!
完走より、命を大事にしないと、本当に過酷だと言われる、死のロードから無事に帰って来て、若者達の前でその経験を話してくれることを願っています。
予定では11月3日(土)の文化の日に、spinns アメ村店2FのVintage&cafeで報告会を開催予定です。
9月30日〜10月7日に開催される「アタカマ砂漠マラソン」の今井さんの完走(無事)を祈って下さい。


この記事のライター

廣海 緑朗(ヒロミロクロウ)

廣海 緑朗(ヒロミロクロウ)
HF magazine

廣海緑朗 1965年生まれ。東京・北海道を経て1980年より京都在住。
1981年より音楽・アート・映像などのイベントを京大西部講堂などで企画制作する。 1987年に観た映画「ホピの預言」(監督:宮田雪/制作:Land and Life)の影響で7回渡米し、北米先住民の居留地を旅し、 居留地での核実験やウラン採掘、強制移住の反対運動に参加。
1993年から映画「ホピの予言」を制作した『Land and Life』に参加。 上映や講演で、先住民の現状や世界感を知ってもらうために力を注ぐ。 2002年以降は音楽と環境問題に視点を置いたイベントの制作を行う。 2012年、福島原発事故で放射能汚染の実態を知り、安全な食べ物を提供したいと自ら測定した食材を使ったレストラン「NONベクレル食堂」を左京区岩倉に開店。 2014年、店を三条猪熊に移し「ノンベクキッチンホテヴィラ」として開店 。 2015年、京都市議会議員選挙に市民派として立候補。2282 票で落選。 2016年、「ノンベクキッチンホテヴィラ」を閉店。食品の放射能測定は4年間で900検体に及ぶ。「NPO法人みんなの地球のくらしかた」を立ち上げ、社会事業を世に広める活動を開始。 2017年、(株)ヒューマンフォーラムの「mumkuteki」の中でイベント企画制作、カフェのオーガニック食材の仕入、goodsへの商品紹介、ファームのイベントなど、ヒューマンフォーラムのコミュニティー化に向けてその一端を担う。信頼資本財団「A-KIND塾」3期生。2児の父。

戻る